中小企業診断士の視点:農業も工業もITも守備範囲

農業も工業もITも中小企業診断士の守備範囲

中小企業診断士になると、様々な企業や組織の案件に対応することになります。

業種業態に関係なく中小企業はあります

中小企業診断士の仕事の幅は広く、自分が全く知らない業種にも対応しないといけない時もあるのです。

特に中小企業診断士になりたての頃、中小企業支援機関等から依頼があった場合、自信がないから断るという選択はその後の活動に影響があるかもしれません。

(一度断られた中小企業支援機関の担当者は、もう一度その人に依頼しようとするでしょうか?)

ですので、極力断らず、引き受けるということになるのですが、やはり自分の未経験の分野だと不安になるものです。

中小企業診断士になる時に勉強したといっても、それはあくまで机上のことなのです。

ということで、今回は昔のことを思い出しながら書くことにします。

この記事を読むと、中小企業診断士はあらゆる業種に対応する必要があることがわかります。

そして、中小企業診断士の資格を取得したら、それで終わりでなく、むしろそこがスタートラインだということがわかります。

 

農業も工業もITも守備範囲

本記事の内容

  • 新米診断士は農業の分野がわからない
  • 新米診断士は工業のことがわからない。
  • 情報化の知識はどの分野でも使える
  • 他の専門分野からアプローチしていく
  • この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
  1. KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
  2. 中小企業診断士としての活動歴は10年以上です。

 

新米診断士は農業の分野がわからない

  • 何もわからなくて不安

新米診断士とは中小企業診断士になったばかり頃のKAZUTOYOのことです。

KAZUTOYOは家電量販店に勤めてから中小企業診断士の資格を取得し、独立しました。

ですから、農業の知識など 何もありませんでした。

農業に携わっている人なら常識のことが、わかっていなかったのです。

どんなことかというと、

例えば、

果物と言えば、ミカンや梨、柿を想像し、年に一回しか収穫できないのだろうと思っていたのですが、年に何回も収穫できる果物があることを初めて知りました。

メロンやイチゴなどがそうです。

また、畑などで同じ作物をずっと作り続けると連作障害になるなど、初めて知りました。不思議な世界があるなと思いました。

農家の人にとっては常識なのですが、KAZUTOYOはそんな本当に基本的なことも知らずに中小企業診断士になっていたのです。

当然勉強しないといけません。最近の農業は組織化することも課題となっていますので、農業法人などについても勉強する必要があります。

また、ついでにいうと農業簿記というのもあります。

ハウス栽培や路地栽培などの特徴についても勉強する必要があります。

基本的なことを知らないと、なかなかアドバイスできるところまではいきません。まあ、中小企業診断士になってもそこから勉強する必要があるということです。

 

新米診断士は工業のことがわからない。

  • 業界用語がわからない

新米診断とは中小企業診断士になったばかり頃のKAZUTOYOのことです。

KAZUTOYOは中小企業診断士になる前、アルバイトとして工場で製品の組み立て作業をやったことがある程度で、製造現場は未経験でした。

実際の製造現場では様々な専門用語が使われています。

現場では、それらの専門用語が当然のように飛び交っているのです。

それらの用語を理解しないと何を言っているのかよくわかりません。

例えば、次のような言葉です。

  1. 面取り:面取りは、工業製品(鋼材、木工など)において、角部を削り角面や丸面などの形状に加工する工法のことでし。
  2. Rをとる:丸みを帯びるように加工すること
  3. 鋳造:溶かした金属を型にいれて何か作るやり方
  4. 鍛造:刀鍛冶のように、金属を叩いて加工して作る方法

などです。

Rをとるというのは、何を言っているのか最初は全くわかりませんでした。

こちらもやはり基本的なことはあらかじめ、勉強して知っておく必要があるのです。

実際の製造現場を経験し、知っている中小企業診断士は、そのへんのところはお手のものなので有利だと思います。

 

情報化の知識はどの分野でも使える

  • 情報化は分野を選ばず使える知識

中小企業診断士の一次試験に情報科目があるように、情報化についての知識はどの分野であっても必要となっています。

最近は、小規模の企業であってもネットで物を売りたいとかネットをマーケティングに活用したいというニーズが増えています。

そして、情報化についての知識はどんな分野の業種業態であっても通用します。

でも、実際で現場で利用できるようになるには机上の勉強だけではダメな部分も多いのです。

ある程度自信を持って対応するためには、自分でやってみることも必要でしょう。

また、この分野は進歩が速いので、中小企業診断士だったらそれに取り残されないようにしていくことも大切だと思います。

 

他の専門分野からアプローチしていく

  • 他の分野から入っていく道もある

KAZUTOYOのようにもともと製造現場にいたわけでもなく、農業現場も知らないような人がすぐ現場で課題の解決に向けて、力を発揮できるかというとそれは難しいことです。

中小企業診断士といっても最初は経験のない業界については知識がないのですから、無理もありません。

時間をかけてじっくり行えばできるかもしれませんが、相手があることなのでなかなか難しいのではないでしょうか。

そんなときに、自分の得意な分野から入っていって、経験のない分野を勉強する方法もあります。

一つの例がBCPです。BCP作成支援は多くの中小企業診断士が行っています。

BCPは業種業態に関係なく、作成することが必要とされています。

ですので、BCP作成支援業務を通じて、自分の知らない分野の勉強をしていくことができます。BCP策定には経営資源を洗い出し、業務の流れを考えることもやります。

こうして、BCP作成支援を通じて自分にとっては未知の業界を同時に勉強することができるようになるのです。

この業界は、こんな風にして仕事をしているのだと解ってきます。

そんなやり方で、支援できる分野の幅を広げていくこともできるのです。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。