中小企業診断士の視点:ABC分析とは

ABC分析とは

中小企業診断士の勉強をしていると、ABC分析という在庫管理の手法を勉強します。

また、それに伴い、ある法則についても学ぶことになります。

今回はそのABC分析についての話です。

この記事を読むと、ABC分析のことと、ある法則について知ることができます。

中小企業診断士の視点:ABC分析とは

記事の内容

  • ABC分析とは
  • 2:8の法則
  • 2:8の分析の応用

この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

ABC分析とは

  • 在庫管理手法の一つ

ABC分析は、在庫品の売上金額や数量、利益率等を大きい順に並べて、重点管理をする方法で、在庫管理の手法の一つです。

多種類の在庫を抱えている企業は、すべての在庫を一様にきめ細かく管理していては効率的でないし、経済的でもありません。

そこで売上高または、利益が高い品目からA品目群、B品目群、C品目群と順番にランク付けして、ランクの高い品目群から重点的に管理していくのです。この方法のことをABC分析といいます。

通常は、10~20%の品目の商品で売上高の70~90%を占めるものがA管理商品、次の10%~15%程度の売上高を占めるものがB管理商品、残り5%前後の売上高を占めるものをC管理商品と呼んでいます。

2:8の法則

  • 売上上位20%の品目群で全体の80%の売上を占めるという法則のこと

2:8の法則はパレートの法則ともいわれます。

売上金額の大きい順に商品を並べた際に、売上高上位約20%の商品群で売上全体の約80%を占める、という法則のことです。

この法則は商品だけでなく、お客についても同様に成り立つとされています。

つまり、顧客全体の20%の優良顧客が売上全体の80%を占めているというのです。

このようなことが分かってきたので、全ての顧客を平等に扱うのはかえって不公平という考え方もでてきています。

売上面で店に多大に貢献してくれる優良顧客と、セールの時にしか買ってくれないお客とを同じサービス、価格で売るのは公平ではないとする考え方です。

最近は上位2割の優良顧客を大切にすることで、長期的に経営の安定化を図っていく取組も実施されるようになってきています。

2:8の分析の応用

  • FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)

2:8の分析の応用例として、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)があります。FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)は、小売業界で優良顧客を優遇し、お客が自店から離れないようにする取り組みです。

FSPは顧客の購入金額や来店頻度に応じて、特典やサービスを提供してお客様の店離れを防ぐようするものです。

FSPの発祥は、アメリカン航空の「フリークエント・フライヤーズ・プログラム」といわれています。

顧客が同社の航空機を1マイル利用するごとに1ポイントを付与し、ポイントに応じて特典を提供するプログラムのことです。日本でも「マイレージサービス」としてよく知られています。

この考え方を小売業界に応用したものがFSPです。

FSPでは、小売業において従来のように顧客をすべて平等に扱うのではなく、売上金額や利益額に応じてお客を区別して、「公平」に扱うようにします。

FSPは、顧客すべてを平等に扱うのではなく、一人一人に対して差異をつけるシステムであることが従来のセールス手法と違います。

FSPの狙いは、長期的な視点で顧客と良好な関係をつくり、顧客を維持し、固定化することにあります。

業界ごとのフリークエント・プログラムの名称は次のようになっています。

  • 小売業界:FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)
  • 航空業界:FFP(フリークエント・フライヤーズ・プログラム)
  • ホテル業界:FTP(フリークエント・トラベラーズ・プログラム)

まとめ

  • ABC分析とは

在庫管理手法の一つ

  • 2:8の法則

売上上位20%の品目群で全体の80%の売上を占めるという法則のこと

  • 2:8の分析の応用

2:8の分析の応用例として、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)があります。

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。